アドバイザリー 大田研一

今般、事業法人のグローバル化に伴い実務的に難しく、また経験者も少ない銀行接続サポートを専門とするサービスを立ち上げることになりましたのでご案内いたします。なぜこのようなサービスを提供する必要がると考えたのか、その背景としては、2000年の会計ビッグバンにより日本企業による“キャッシュ”の重要性に注目が集まったものの、現在DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が囃されているにも関わらず、日本企業の取り組みは遅れているように思われます。その要因となる環境は2つあります。
①超金融緩和による低金利および良好な資金調達環境によるキャッシュの価値に対する評価が下がったこと
②その結果、経理財務部門内での資金業務(トレジャリー)の重要性あるいは理解が薄れて人材の配置および育成については欧米企業に比較して劣後する結果になったこと
私は2015年に共著で上梓しました「トレジャリー・マネジメント」(中央経済社)において、クラウドベースのTMSの登場を、ビッグバンに例えて、それまで言われていた導入できない理由がほぼなくなったと断言しましたが、予想したようには導入実績は上がっていません。何が導入の障害なのか再度振返ったときに、先に述べた環境②の仮説が思い浮かびました。TMS導入の第一歩である「資金の見える化」で口座の入出金データを取得するためには、取引銀行にデータの送信を依頼する必要があります。簡単に見えますがこれが意外に簡単ではなくて銀行とのコミュニケーションで苦労することになり、少ない財務スタッフで直接交渉をすることは簡単ではありません。仮に海外経験があったとしても、トレジャリーの実務経験や決済のメカニズム等コミュニケーションをする上で求められる知識は単純ではありません。このように事業法人の財務部門の苦労を軽減するサポートを提供することで、財務部門が本来取り組むべきDXによる分析業務、あるいはモニタリングなどの次のレベルへの移行を支援できればと考えました。欧米企業では苦労しない初めの一歩の銀行接続が日本企業では大きな壁だったと考えてのサービス開始です。アドバイザリー 大田研一

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