著者:齋藤 隆之(チーフコンサルタント)
各社様は、これまでの長い歴史を背景に、独自の業務プロセスを構築されてきたことと思います。本業に関するプロセスはもちろん、財務についても歴代の担当者様が、苦労して積み上げられてきたことと思います。一方で、その業務を維持するには、ノウハウを継承しなければならず、ある時点で使われなくなったものは、次の世代に継承されないなどと言うことも発生していると思います。実際に、10数年前にプーリングシステムを導入したが、このところあまり稼働せず(かつ低金利で効果もなかったため)、意識はしていなかったが、これからの金利上昇を見込んで見直したいが、社内に理解している人がいないというお悩みを耳にしました。そこで重要なのが標準化です。標準化することで、ノウハウは共有され=共有してもらえることができるのです。標準化の一番の近道は、世の中に浸透しているシステムを「カスタマイズせずに」導入することです。現時点では、標準化された財務管理システムはTMSが代表的で、海外のベンダーが提供しているものがメインで、価格も安くはありません。
そこで、まずは現在の財務業務の社内プロセスを、財務に知見のある第三者にレビューしてもらうのは如何でしょうか?課題があれば、重要度をつけてピックアップして、どこから着手して標準化を目指し、最終的にどのシステムをどう活用するかというグランドデザインを持つことで、現業務と並行して標準化を進めていくことができます。それがDXにつながっていくのです。TCJもそのお手伝いをさせていただきます。あるいは、各社様のお悩みがあれば、それをピックアップいただき、どのような背景でその作業が発生したか、それがないとどういう影響が発生するかを議論させていただければ、新しい標準化したシステム導入を待たずして、徐々に標準化に近づけることができるのです。
以前、メガバンクのキャッシュマネジメント担当だった頃、日系グローバル企業様の欧州担当者が日本に集まった際に招待されました。そのお会社が銀行GCMSとSAPを接続した際にご支援差し上げたのですが、「入出金データをダウンロードすることで、対象取引がピックアップしやすくなったので経理処理が格段に早くなった」というお声を多くいただきました。正直、とてもとても原始的なことなのですが、グローバル企業様ですらそのようなことでお悩みなのだということを実感しました。それまでは月次のStatementを紙で見て、取引をピックアップして処理していたので、作業時間もかかり、タイミングも遅くなっていたようです。
このようなお困りのことや、分からないことがございましたら、遠慮なくわれわれTCJにお声掛けください。いきなり大規模システムをご提案するのではなく、現状の課題から一つ一つ解決していきましょう。